宅建士(宅地建物取引士)で学ぶ「権利関係(民法)」や「宅建業法」の知識は、不動産所有・賃貸経営のバックボーンとして間違いなく最強の武器になります。
大家業(不動産経営)において、次にどのような知識を強化したいか(管理実務・節税やお金・建物の修繕・管理組合対策)によって、目指すべき資格が変わってきます。
目的に応じたおすすめの資格をまとめました。
宅建士の次に狙いたい!大家さん向けおすすめ資格
| 目的・ジャンル | おすすめ資格 | 大家業へのメリット・特徴 |
| 管理実務・法律 | 賃貸不動産経営管理士 | 【最優先】 宅建士と試験範囲がかなり重複。賃貸トラブル対処、原状回復ガイドライン、管理委託契約の理解に直結。 |
| お金・税金・相続 | FP(ファイナンシャル・プランナー) (2級〜3級) | 確定申告・節税・住宅ローン・保険・相続対策など、不動産経営にかかわるお金の全体像が掴める。 |
| 収支管理・確定申告 | 日商簿記 (3級) | 青色申告(65万円控除)の帳簿付けや、物件の収支管理・キャッシュフロー分析が自力で正確にできるようになる。 |
| コスト削減・DIY | 第二種電気工事士 | コンセント・スイッチ交換やインターホン・照明器具の取替など、簡単な電気工事を自作(DIY)でき、修繕費を大幅削減。 |
| 区分マンションオーナー | マンション管理士 / 管理業務主任者 | 区分マンションを所有している場合、大規模修繕計画や管理組合・規約のトラブル解決に強い味方となる。 |
特におすすめの3つの選び方
1. 宅建士とダブルライセンスを狙うなら:賃貸不動産経営管理士
宅建士で学んだ知識がそのまま活かせるため、最もコスパ良く取得できる資格です。
国家資格化されたことで注目度が高まっており、入居者との原状回復トラブルや、管理会社との交渉・契約内容を対等以上に理解できるようになります。
2. 経営の「お金」に強くなりたいなら:FP(2級/3級) + 簿記3級
不動産投資・経営は「事業」です。
- FP:税金(所得税・固定資産税・相続税など)の仕組みや、レバレッジを効かせる資金計画の知識が身につきます。
- 簿記3級:青色申告で複式帳簿を付ける際、会計ソフトの入力や損益計算書(P/L)・貸借対照表(B/S)の読解がスムーズになります。
3. 戸建て・一棟アパート経営で修繕費を削りたいなら:第二種電気工事士
実技試験はありますが、文系からでも比較的取りやすい資格です。
退去立会後のちょっとした設備交換(VVFケーブルの結線やコンセント増設など)は、業者に頼むと1回1〜2万円飛んでいきます。これを自前でできるようになると、年間かなりのコストカットに貢献します。
💡 まずは宅建士の合格に全集中!
宅建士の学習内容は全ての不動産系資格の「根っこ」になります。まずは現在の勉強を走り切り、試験が終わったあとの次のステップとして上記の資格を検討してみるのが一番効率的です。

賃貸不動産経営管理士の試験日はいつですか?
またどんな内容の資格ですか?
宅建士と重複内容・重複していない内容も教えて下さい。
「賃貸不動産経営管理士」について、試験日・内容・宅建士との共通点や違いを分かりやすくまとめました。
1. 試験日と概要
| 項目 | 詳細 |
| 2026年度 試験日 | 2026年11月15日(日)13:00〜15:00 |
| 例年の傾向 | 毎年11月の第3日曜日に実施(年1回) |
| 申込期間 | 8月上旬 〜 9月下旬頃 |
| 合格発表 | 12月下旬 |
| 試験形式 | 50問(四肢択一・マークシート方式/120分) |
💡 宅建士との相性が抜群!
宅建士の試験(毎年10月第3日曜日)の約4週間後に実施されます。宅建士の勉強で高めた「学習モード」を維持したまま直行できる理想的なスケジュールです。
2. どんな資格?(大家さん視点での魅力)
「賃貸物件の管理や原状回復に関するプロ」であることを証明する国家資格です。
- 主な仕事内容:アパート・マンションの入居者募集、賃貸借契約の締結・管理、家賃の徴収、クレーム対応、建物の維持点検、そして退去時の原状回復トラブルの調整など。
- 大家さんにとってのメリット:管理会社に頼り切りにせず、管理委託契約書を正しく解釈できたり、原状回復費用(敷金精算)の負担区分で損をしない知識が身につきます。
3. 宅建士との「重複箇所」と「異なる内容」
🤝 重複している内容(そのまま使える知識)
全体の約3〜4割程度は宅建士の知識でカバー可能です。
- 民法(権利関係)
- 契約の成立・解除、意思表示(錯誤・詐欺など)
- 賃貸借契約の基本、相続のルール
- 借地借家法(特に借家関係)
- 普通借家契約と定期借家契約の違い、立ち退き料、正当事由など
- 税金に関する基礎知識
💡 重複していない(新しく学ぶ必要がある)内容
管理実務に特化した法律や専門用語が中心になります。
| 新しく学ぶ分野 | 具体的な内容・大家さんにとっての価値 |
| 賃貸住宅適正化法 (管理業法) | 管理会社やサブリース業者を規制する法律。サブリース(一括借り上げ)の「家賃保証の罠」や「違約金トラブル」を防ぐための知識が身につきます。 |
| 管理実務・トラブル対応 | 入居者の騒音トラブル、家賃滞納への対応、遺留品の処理など、日常的な管理の解決ノウハウ。 |
| 原状回復ガイドライン | 国交省のガイドラインに基づき、「経年劣化(オーナー負担)」と「故意・過失(入居者負担)」の境界線を論理的に学べます。 |
| 建物の維持・設備知識 | 消防設備(消火器・自動火災報知器など)、給排水設備、建築構造のメンテナンス周期など、修繕コストに直結する知識。 |
勉強の戦略
現在取り組まれている宅建士試験が終わったら、すぐに「賃貸住宅適正化法(管理業法)」と「原状回復ガイドライン・管理実務」の2分野に集中的に取り組むのが合格への最短ルートです。宅建士で鍛えた「民法・借地借家法」の基礎力があるため、ゼロから始める人よりも圧倒的に有利に学習を進められます。

宅建士試験終了後から11月の賃貸不動産経営管理士試験までの約1ヶ月間、どのように勉強を進めれば良いですか?
宅建士の試験終了から賃貸不動産経営管理士(以下、賃管士)の試験までは約4週間あります。この4週間は、長期間の勉強ではなく「即効性の高い集中攻略」がカギになります。
宅建士で身につけた法律知識のピークを維持したまま、賃管士の独自分野を上乗せする「4週間・直前集中ロードマップ」を提案します。
📅 4週間の勉強ロードマップ
1.1週目:独自の「法律・ルール」を一気にインプット:目標時間:週10〜12時間。
宅建士には出ない「賃管士の核」となる重要法規を最優先で固めます。
- 賃貸住宅適正化法(管理業法): 業務管理者、サブリース規制、重要事項説明など(毎年大量出題される絶対落とせない分野です)。
- 賃貸住宅標準契約書: 標準的な契約条項の確認。
- 公式テキスト/要点まとめテキスト: この分野を中心に一気に読み込みます。
2.2週目:「実務・設備・原状回復」の暗記:目標時間:週10〜12時間。
現場の実務知識や設備の知識を詰め込みます。
- 原状回復ガイドライン: 「賃借人の故意・過失」と「経年劣化・通常損耗」の境界線を完璧に暗記。
- 建築・設備: 給排水設備、換気、消防設備、建築構造の知識(暗記中心なので得点源にしやすい)。
- 入居管理・実務: 家賃滞納対応、遺留品処理、騒音トラブル等の実務知識。
3.3週目:過去問・予想問題でアウトプット:目標時間:週12〜15時間。
問題集を使って、出題形式とひっかけのパターンに慣れます。
- 過去問題集(または予想問題集): 最低3〜5年分を解く。
- 宅建士との「共通分野」の確認: 民法・借地借家法は宅建士の知識で解けるか確認し、知識が抜け落ちている部分だけ補強する(ここに時間はかけすぎない)。
4.4週目:模擬試験・総復習:目標時間:週10〜12時間。
本番同様の環境で最終調整を行います。
- 市販の予想模試(2〜3回分): 120分の時間配分と、個数選択問題のペース配分を掴む。
- 間違えた問題・暗記箇所の最終チェック: 標準契約書やガイドラインの数値を総復習。
💡 1ヶ月集中学習で成功するための「3つの鉄則」
1. 「民法・借地借家法」は復習程度にとどめる
宅建士で最も時間をかけた民法や借地借家法は、賃管士試験でも問われますが、レベルは宅建士と同等かやや標準的です。ここに時間を割かず、宅建士で学んでいない「管理業法」「原状回復」「設備」に学習時間の7割以上を投じてください。
2. 「個数選択問題」対策に慣れておく
賃管士試験は、近年「適切なものはいくつあるか」という個数選択問題が増加傾向にあります。消去法が使いにくいため、各選択肢の「○・×」を曖昧にせず、正確に判断するトレーニング(過去問演習時)が不可欠です。
3. 宅建士試験が終わったら「ノータイム」で切り替える
宅建士試験が終わった当日の夜〜翌日には、賃管士のテキストや問題集を開きましょう。「1週間休んでから…」とすると、せっかく仕上がった勉強習慣と知識が一気に抜けてしまいます。
まずは10月の宅建士試験で全力を出し切り、その勢いのまま11月まで駆け抜けましょう!

今、LECで宅建士の講座を受講中です。賃貸不動産経営管理士もLECに講座はありますか?
はい、大手資格スクールのLEC(東京リーガルマインド)には「賃貸不動産経営管理士」の対策講座が用意されています。
特に宅建士を受験する人(ダブル受験者)専用のコースが用意されているのが大きな特徴です。
LECの主なコースラインナップ
レベルや受験スタイルに合わせて主に3つのコースが展開されています。
| コース名 | 対象・おすすめな人 | 特徴・内容 |
| 合格プライムコース | 【一番おすすめ】 宅建士の受験者 | 宅建士で学んだ重複部分(民法・借地借家法など)を大幅に省き、賃管士独自の出題範囲(管理業法・実務・原状回復等)に特化したコンパクトなコース(全16回程度)。 |
| 合格スタンダードコース | 過去に宅建士を取得済みの人や、法律学習経験者 | 重複科目も適度におさらいしつつ、過去問徹底分析や模試までカバーしたコース(全26回程度)。 |
| 合格フルコース | ゼロから始める完全初学者 | 入門講座から基礎講義、過去問演習、直前模試まで全て網羅したフルセット(全29回程度)。 |
宅建受験生にとってのポイント
- 「合格プライムコース」が直前1ヶ月対策に最適宅建士試験が終わった後の短い期間で効率よく合格を目指す設計になっているため、無駄な重複学習をしなくて済みます。
- 通学・通信(Web・DVD)が選べるWeb動画による通信受講が主流ですが、全国のLEC校舎での通学講座や模試の会場受験も選べます。
- 直前模試・答練のみの受講も可能「独学でテキストをやり込み、仕上げの『全国公開模擬試験』や『予想論点パック』だけLECで受ける」という使い方も人気です。
💡 無料体験・ガイダンスも利用可能
LECのWebサイトでは、友次正浩専任講師らによる「おためしWeb受講(無料講座)」や宅建士受験生向けのミニガイダンス動画が公開されています。雰囲気を掴むためにチェックしてみるのもおすすめです。
まずは宅建士の学習に専念しつつ、試験直前〜終了後に受講を検討してみるのが一番スムーズです!

賃貸不動産経営管理士の合格率はどれくらい?
近年の賃貸不動産経営管理士試験の合格率は、およそ25%〜30%前後で推移しています。
国家資格化(2021年)以降、難易度が年々増しており、現在は「約3〜4人に1人が合格する」難易度となっています。
📊 直近の試験結果と合格率の推移
| 実施年度 | 合格率 | 合格点(50問中) | 受験者数 | 特徴・傾向 |
| 2025年度(令和7年) | 29.5% | 38点 | 31,792人 | 合格ラインが約76%と高得点勝負に。 |
| 2024年度(令和6年) | 24.1% | 35点 | 30,194人 | 国家資格化以降で最も低い合格率(難化)。 |
| 2023年度(令和5年) | 28.2% | 36点 | 28,299人 | 個数選択問題が増加し難易度が安定。 |
| 2022年度(令和4年) | 27.7% | 34点 | 31,687人 | – |
| 2021年度(令和3年) | 31.5% | 40点 | 32,459人 | 国家資格化1年目。合格点が高騰。 |
(※民間資格時代[2019年以前]は合格率50%前後でしたが、国家資格化および50問化に伴い難化しました。)
🏢 他の不動産系国家資格との難易度比較
他の不動産資格と比べると、賃貸不動産経営管理士は「チャレンジしやすい部類」に入りますが、決して油断はできない数字です。
- マンション管理士:約 10% 前後(超難関)
- 宅地建物取引士(宅建士):約 15%〜18%(難関)
- 管理業務主任者:約 20% 前後
- 賃貸不動産経営管理士:約 25%〜30%
💡 合格ラインと狙うべき目標点
試験は50問満点で、合格基準点は年度によって変わりますが、「34点〜38点(正答率 68%〜76%)」で推移しています。
- 目標点の目安:40点(正答率80%以上)
- ポイント:個数選択問題(「正しいものはいくつあるか」)が増加傾向にあるため、消去法に頼らず知識の精度を高めておく必要があります。
宅建士の学習経験がある方なら、民法や借地借家法でアドバンテージがあるため、実質的な体感難易度はもう少し低く感じられるはずです。宅建士試験を突破できる実力があれば、直後の集中学習で十分に上位30%に入り込むことができます。
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