①賃貸借契約の「賃貸人の負担に属する必要費」と②使用貸借契約における「借用物の通常の必要費」の違い

問題:AB間でAを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物につき、①賃貸借契約と②使用貸借契約を締結した場合に関する。

貸主は、①では、甲建物のAの負担に属する必要被を支出したときは、Aに対しその償還を請求することができるが、②では、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。

回答:〇

RIO
RIO

ここでの「賃貸人の負担に属する必要費」と「借用物の通常の必要費」の違いを、わかりやすく、具体例で教えて下さい。


この2つはどちらも「必要費」ですが、誰が負担すべき性質の費用なのかが異なります。

まず結論を整理すると、

  • 賃貸借:「本来、貸主が負担すべき必要費」を借主が立て替えたら、貸主に請求できる。
  • 使用貸借:「日常的・通常の維持費」は借主が自分で負担する。

では、具体例で見てみましょう。

① 賃貸借の「賃貸人の負担に属する必要費」

これは、

建物そのものを維持するため、本来オーナー(貸主)が負担すべき費用

です。

例えば、

  • 屋根が雨漏りしたので修理した(30万円)
  • 水道管が老朽化して交換した(20万円)
  • 建物の基礎部分が壊れたので修繕した

このような費用は、建物の所有者であるAが負担すべきものです。

もしAが修理してくれず、Bがやむを得ず支払ったなら、

「Aさん、本来あなたが払う修理代なので返してください。」

と償還請求できます。


② 使用貸借の「借用物の通常の必要費」

こちらは、

普通に使っていれば当然かかる日常の維持費

です。

例えば、

  • 電球が切れたので交換した
  • 庭の草むしりをした
  • 障子紙を張り替えた
  • エアコンのフィルターを掃除した
  • 電池交換をした

このような「普通に使うための費用」は、無償で借りている以上、借主が負担します。

つまり、

「無料で貸してもらっているのだから、このくらいの維持費は自分で払ってね。」

という考え方です。


では、大きな修理は?

例えば、

  • 台風で屋根が壊れた
  • シロアリ被害で柱を交換した

これは「通常の必要費」とはいえません。

使用貸借では、借主は通常の必要費しか負担しません。
そのため、このような大規模修繕は通常、貸主(所有者)が負担すべきものとなります。


イメージで覚える

賃貸借(家賃あり)

  • 家賃を払っている
  • オーナーは建物を維持する義務がある
  • オーナー負担の修理代を借主が立て替えたら返してもらえる

  • 雨漏り修理
  • 給排水管の交換
  • 外壁修繕

使用貸借(無料)

  • 無料で借りている
  • 日常の維持費くらいは借主が負担する

  • 電球交換
  • 庭の手入れ
  • 消耗品の交換
  • 日常清掃

試験での覚え方

賃貸借

「家賃を払っているから、大きな修繕は貸主負担。」

使用貸借

「無料で借りているから、普段の維持費は借主負担。」

この「家賃を払っているか(有償)・無料で借りているか(無償)」という違いを意識すると、「賃貸人の負担に属する必要費」と「借用物の通常の必要費」の区別が理解しやすくなります。

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