「印紙税において、贈与契約書は記載金額のない契約書として扱う」のは、なぜですか?贈与税が別に課されるからですか?宅建士試験の勉強中です。

結論から言うと、贈与税が別にかかるからではなく、印紙税法において「対価(お金のやり取り)の記載がない契約書」として分類されるからです。

印紙税における「記載金額」とは、単に文書に書いてある金額のことではなく、「その取引によって動く対価(経済的対価)の額」を指します。

制度のロジックと理由は以下の通りです。

1. 贈与は「無償」の取引であり、対価が存在しないから

印紙税において「記載金額」としてカウントされるのは、物件の代金や賃料といった「対価となる金額」です。

  • 売買契約: 「土地を1億円で売る」 ⇒ 対価は1億円なので、記載金額は1億円
  • 贈与契約: 「1億円相当の土地をあげる(もらう)」 ⇒ もらう側は代金を支払わない(無償)ため、対価となる金額は「0円(なし)」

たとえ贈与契約書の中に「1億円相当の不動産を贈与する」「評価額1億円の土地」といった記載があったとしても、それは対価の支払いではないため、印紙税法上は「記載金額のない第1号文書」として扱われます。

2. 「記載金額がない」=「非課税(タダ)」という意味ではない

ここで注意が必要なのは、「記載金額がない」からといって印紙税が0円(非課税)になるわけではないという点です。

不動産の譲渡に関する契約書(第1号文書)は、記載金額の有無によって以下のように税額が決まります。

  • 記載金額がある場合: 金額に応じて税額が上がる(例: 1億円なら3万円)
  • 記載金額がない場合: 定額で 200円 の印紙税がかかる

つまり、贈与契約書は「対価がないため記載金額なし」として扱われ、一律200円の印紙税を納めることになります。

3. 他の税金(贈与税)との二重課税を防ぐためではない

「贈与税がかかるから印紙税をまけている」わけではありません。

先ほどの仮契約書のお話と同様に、「贈与税(贈与という事実に対する税金)」と「印紙税(契約書という文書に対する税金)」は全く別の税金だからです。

実際、1億円の土地の売買であっても「所得税」と「印紙税」の両方がかかります。税金の種類が異なるため、他の税金の有無は印紙税の「記載金額なし」の判定には影響しません。

💡 宅建試験対策の整理ポイント

宅建試験では、この「記載金額」の判定ルールが非常に良く出題されます。以下の3パターンをセットで覚えておきましょう。

  1. 贈与契約書 ⇒ 記載金額なし(一律200円)
  2. 不動産の交換契約書 ⇒ 高い方の金額が記載金額(差額の補足金がある場合はルールあり)
  3. 契約内容の変更契約書(増額) ⇒ 増加した金額が記載金額

「対価として支払われるお金がいくら書かれているか」という視点を持つと、丸暗記しなくても正解を導き出せるようになります!

印紙税額 ⇒ 国税庁HP

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