区分所有建物の建替えは、区分所有者に対して重大な影響を与えるため、もっとも厳しい決議要件が定められており、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各5分の4以上の賛成が必要で、この定数は変更不可です。一方、「共用部分の変更(軽微な変更を除く)」は、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要ですが、規約で過半数とすることができます。それは、なぜですか?

決議要件の変更(緩和)ができるかどうかは、「建物の維持管理を時代の変化に合わせてスムーズに行えるようにしたいか(円滑化)」「所有者の財産・住まいを根本から奪うような重大事案か(権利保護)」のバランスによって決まっています。

1. 共用部分の変更(4分の3 ⇒ 過半数へ緩和できる理由)

共用部分の変更(大規模修繕やバリアフリー化、エレベーターの設置、防犯カメラの導入など)は、「マンションの価値を保ち、住みやすくするための工事」です。

  • 緩和できる理由:築年数が経ったマンションで、高齢化や賃貸化が進むと「4分の3」という高いハードルをクリアするのが非常に難しくなります。もし要件を緩められないと、修繕やバリアフリー工事が一切できなくなり、マンションがどんどん老朽化・廃墟化してしまうリスクがあります。
  • 目的:そのため、区分所有法は「規約で過半数までハードルを下げて、時代の変化に合わせた工事をスムーズに行えるようにしてよい」としています。

2. 建替え(5分の4 ⇒ 変更不可の理由)

建替えは、共用部分の修理どころか「今の建物を壊して一から建て直す(多額の資金負担や一時退去、最悪の場合は住まいを失う)」という、全オーナーにとって人生レベルの最も大きな影響を与える出来事です。

  • 変更できない理由:もし規約で過半数や4分の3などに要件を下げられるようにしてしまうと、資金に余裕のある多数派グループだけで建替えを強行し、反対する高齢者や資金のない少数派オーナーの住まいや財産権を強制的に奪うことが容易になってしまいます。
  • 目的:そのため法律は、財産権を守るための「最後の砦」として、「どんなに規約を作っても5分の4未満には絶対に下げられない(絶対的強行規定)」と定めています。

まとめ

  • 共用部分の変更(緩和OK):マンションの劣化を防ぎ、スムーズに修繕・改修(価値向上)を行わせるため。
  • 建替え(緩和NG):個人の財産や生活基盤を破壊する恐れがあるため、少数派の権利を絶対的に守るため。

「マンション全体の維持・活用を円滑にしたいものは緩和可能」「個人の財産を奪いかねない決定は絶対固定」と整理すると納得しやすいです!

RIO
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なるほど!

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