宅建業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる許可、確認等があった後でなければ、自ら当事者として、もしくは代理により、売買の契約を締結し、又は売買の媒介をしてはならない。しかし、賃貸借契約に関しては、代理による契約の締結・媒介とも、禁止されていない。賃貸借契約だけ法律が緩い理由を教えて下さい。

未完成物件(未完成の宅地・建物)において、売買は許可・確認前の契約締結が禁止されているのに対し、賃貸借契約だけが認められている理由は、「手持ち資金のリスク(損害の大きさ)」「借り手の保護のしやすさ」に大きな差があるからです。

1. 売買と賃貸借の危険度の違い

売買契約(リスクが極めて高い)

  • 金額・手付金が大きい:売買では、契約時に数百万円~数千万円の手付金や内金(時には全額)が動きます。
  • 被害が深刻:もし許可が下りず工事が中止(建築不可)になった場合、支払った大金が返ってこないリスクや、人生設計が崩壊する重大な損害が発生します。そのため、行政の建築確認などが降りる前の契約締結を厳しく禁止しています。

賃貸借契約(リスクが限定的)

  • 初期費用が少ない:賃貸借で契約時に動くお金は、敷金・礼金・仲介手数料などの数か月分の賃料(数十万円程度)にとどまります。
  • やり直しが効きやすい:万が一、許可が下りずに建物が建たなかったとしても、支払った費用の返還を受け、別の賃貸物件を探せば生活上のダメージは売買に比べて格段に小さくて済みます。

2. 実務上の必要性(需要に応えるため)

  • 引っ越し準備の猶予:新築マンションやアパートの場合、完成する数か月前から入居者を募集し、予約(賃貸借契約)を受け付けないと、借り手も「完成直前まで引っ越せるか分からず、準備が間に合わない」という不都合が生じます。
  • 事業の円滑化:借り手のリスクが比較的小さいため、実務上の「前持って部屋を確保したい」というニーズを優先して法規制を緩和しています。

まとめ

  • 売買: 大金が動き、建たない時の被害が甚大 $\Rightarrow$許可前の契約は禁止
  • 賃貸借: 動くお金が少なく、やり直しも効く $\Rightarrow$許可前でも契約OK

「動くお金の大きさと、取引がダメになったときのリスクの差」で法律の厳しさが変わっていると整理すると納得しやすいです!

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