「時効で借金(債務)を払わなくてよくなった後に、本人が『払います』と認めてしまったら、後から『実は時効だったからやっぱり払わない!』と前言撤回することはできない」という意味です。
時効のルールを知っていたかどうか(完成を知っていたか)に関わらず、払うと言った以上はアウトになります。
具体例でイメージする
- AさんはBさんから借金をしていましたが、時効(5年)が過ぎました。
- Aさんは「時効が完成していて、もう払わなくていい状態だ」ということを知りませんでした。
- Bさんから「借金返して」と言われ、Aさんは「分かった、来月払うよ(債務の承認)」と言ってしまいました。
- その後、Aさんは弁護士から「あの借金、実は時効で払わなくてよかったんですよ」と教えられました。
- 慌てたAさんがBさんに「やっぱり時効だから払いません!(時効の援用)」と言い直しました。
⇒ 結果:これは認められません(Aさんは払わなければなりません)。
なぜ知らなかったのにダメなのか?(信義則・判例)
時効の効力を発生させるには「時効だから払わない」と宣言すること(時効の援用)が必要です。
相手(貸主B)からすれば、一度「払います」と言われたら「ああ、払ってくれるんだな」と信用します。
それなのに後から「実は時効だったから払わない」とひっくり返されると、相手がかわいそうです。
そのため最高裁の判例では、「たとえ知らなかったとしても、払うと認めた以上は、相手の信用を裏切るような前言撤回(時効の援用)は許されない(信義則違反)」としています。
まとめ
- 時効が完成した ⇒ 払わなくていい状態
- 「払います」と認めた(承認) ⇒ もう時効のカードは使えない(援用不可)
- 「時効を知らなかった」と言い訳する ⇒ 通らない!
「一度『払う』と認めたら、後から時効のカードは切れない」と覚えておけばバッチリです。
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