宅建士の過去問(2015年)において、「農業者が住宅の改築に必要な資金を銀行から借りるため、市街化区域外の農地に抵当権の設定が行われ、その後、返済が滞ったため当該抵当権に基づき競売が行われ第三者が当該農地を取得する場合であっても、農地法第3条1項又は法第5条1項の許可を受ける必要がある。(正解は〇)」という問題があります。農地を取得するので、農地法第3条1項はわかりますが、第5条1項の許可でもOKという理由がわかりません。

この問題で「なぜ第5条1項(転用目的の権利移動)の許可も出てくるのか?」という疑問ですね。

結論から言うと、「競売で農地を買い落とす第三者(買受人)が、その土地を『何のために使うか』によって3条になるか5条になるかが変わるから」です。

理由を分かりやすく解きほぐしていきます。

1. 買受人(第三者)の「使い道」は2パターンある

競売によって農地を取得する第三者が、その土地をどう利用するかは次の2つのパターンが考えられます。

パターンA:農地のまま使う(農業をする)

第三者が「自分も農家だから、そのまま畑として使おう」と思って落札する場合です。

  • 状態: 農地 ⇒ 農地(権利の移動のみ)
  • 適用される法律: 農地法第3条(耕作目的の権利移動)

パターンB:宅地などに変えて使う(家や駐車場を建てる)

第三者が「ここを買って、家を建てよう(あるいは資材置場にしよう)」と思って落札する場合です。

  • 状態: 農地 ⇒ 農地以外(転用+権利の移動)
  • 適用される法律: 農地法第5条(転用目的の権利移動)

2. なぜ問題文で「または(又は)」になっているのか?

競売が行われる時点では、落札する第三者が「農地として使う(3条)」のか「宅地等に転用して使う(5条)」のか、まだ決まっていません。

ですが、どちらの目的で落札するにしても、農地法の許可(3条許可 または 5条許可)が必要になるという点では変わりません。

そのため、判例・実務上の表現として、

「農地のまま使うなら3条1項の許可、転用して使うなら5条1項の許可の、どちらかの許可を受ける必要がありますよ(だから許可は必要=〇)」

という意味で「3条1項又は5条1項の許可」という記載になっているのです。

💡 補足:競売でも農地法が適用される理由

ちなみに、競売は裁判所(公的機関)が行う手続きですが、「競売だからといって農地法の許可が免除されるわけではない」というのも宅建試験の大事なポイントです。

もし競売で無条件に誰でも買えることにしてしまうと、農地法を通さずに農地が売買・転用されてしまい、日本の農地を守るという農地法の目的が崩れてしまうからです。

まとめ

  • 競売で農地を取得する人が「農地のまま使う」なら 3条許可
  • 競売で農地を取得する人が「家などを建てる(転用)」なら 5条許可
  • どちらにせよ許可が必要なので、問題文の通り「3条又は5条の許可が必要」で正解(〇)となります。

これでスッキリご理解いただけましたでしょうか!

【2024宅建】基本を押さえて1点UP!農地法のポイントを過去問を使って徹底解説!【法令上の制限】

この動画では、農地法の基本ポイントや競売における農地法の適用について過去問を用いてわかりやすく解説されています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました