宅建業者が電磁的方法により37条書面に記載すべき事項を提供する場合、当該提供ファイルへの記録を相手方が出力することにより書面を作成できるものでなければならないのはなぜですか?

RIO
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書面を作成できるもの、というのは、Word書面のように内容を変更できるようなもの、という意味ですよね?

変更できるようなものより、変更できないPDFファイルのほうが良いと思うのですが。

つまり、「書面を作成できないもの」のほうが良いと思うのですが・・・。

「内容を改ざんできないPDFのほうが安全だから、変更できない形式のほうが良いのでは?」という指摘は、セキュリティの観点から考えるとまさにその通りです。

しかし、ここには言葉の解釈と、法律(宅建業法)が求めている「真の目的」に起因する大きな誤解があります。

結論から言うと、法律が言う「書面を作成できるもの」とは、Wordのように内容を変更できるという意味ではなく、印刷(プリントアウト)して紙の書類にできるもの」という意味です。そのため、実務でも「編集不可能なPDFファイル」を送るのが正解とされています。

なぜそのようなルールになっているのか、背景を分かりやすく解説します。

1. 「書面を作成できる」の本当の意味

宅建業法における「書面を作成できるもの」という表現は、以下のような意味で使われています。

  • 誤った解釈: Wordファイルのように、後から文字を書き換えたり編集したりできるデータ
  • ⭕️ 正しい解釈: 買主が自分のパソコンやスマホからボタン一つで「紙に印刷(出力)して、手元に実物の書類として残せる」データ

つまり、文字の編集機能のことではなく、「印刷機能(アクセシビリティ)」のことを指しています。

2. なぜ「印刷できること」が義務なのか?

2022年の法改正により、37条書面(契約書)や35条書面(重説)の「電子化(電磁的方法による提供)」が認められました。

しかし、世の中のすべての人がパソコンやスマホの操作、あるいは画面上での読書が得意なわけではありません。特に高齢の方などからは、「画面じゃ細かくて見づらいから、やっぱり紙でじっくり読みたい」「念のため紙でファイリングして保管しておきたい」という需要が根強くあります。

そこで法律は、電子化を認める条件として以下のルールを定めました。

「電子データで送ってもいいけれど、受け取った側がいつでも100%綺麗な状態で紙に印刷できる形式で送りなさい」

もし、スマホの特定のアプリの中でしか見られず、印刷も保存もできないような特殊な形式で送られてしまうと、購入者が不利益を被ってしまいます。それを防ぐために「出力(印刷)して書面を作成できること」を条件にしているのです。

3. 実務ではまさに「PDF」が推奨されている

ご指摘の通り、内容が勝手に書き換えられてしまうファイル(Wordなど)で契約書を送るのは、トラブルの元になるため絶対にNGです。

そのため、国土交通省のガイドラインでも、電磁的方法の具体例として「PDF形式」や「電子署名を付与したデータ」などが指定されています。

  • PDFファイルなら:
    • 文字の後からの書き換え(改ざん)を防げる = ご指摘の通り安全!
    • 買主がプリンターで印刷すれば、いつでも綺麗な「紙の書面」にできる = 法律の条件をクリア!

このように、ユーザー様が考えられた「改ざんできないPDFのほうが良い」という直感は実務上完全に大正解です。ただ、法律の条文にある「書面を作成できる」という言葉が、文字の編集ではなく「印刷の可否」を指しているために起因する言葉のギャップだった、というのがこの疑問の真相です。

宅建の試験問題で「出力することにより書面を作成できるものでなければならない」と出てきたら、頭の中で「(改ざんできないPDFなどで)ちゃんと印刷できる形式じゃなきゃダメだよ」と変換して読んでみてください!

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