宅建業者は、その業務に関する帳簿を閉鎖後5年間保存しなければなりませんが、従業員名簿は最終記載日から10年間保存しなければなりません。保存期間が違う理由を教えてください。

帳簿(5年)と従業員名簿(10年)で保存期間が異なるのは、「取引のトラブル対応(短期間)」「違法な業者・悪徳ブローカーの追跡(長期間)」という目的(役割)の違いがあるためです。

1. 業務に関する帳簿(5年間)

目的:直近の不動産取引のトラブル確認

  • 役割:いつ・誰に・どの物件を・いくらで売買(媒介)したかという「取引の履歴」を記録したものです。
  • 5年である理由:不動産の契約トラブルや宅建業法違反の取り締まり(指導・監督)は、取引から数年以内に行われることがほとんどです。また、商法上の売買に関する債権等の関係も踏まえ、「取引から5年間」残っていれば実務上のトラブル解決や指導には十分だと考えられています。※なお、自ら売主となる新築住宅の取引(住宅瑕疵担保履行法関連)の帳簿については10年保存となります。

2. 従業員名簿(10年間)

目的:悪質な業者やブローカーの履歴・追跡調査

  • 役割:その業者に「いつ・誰が従業者として働いていたか(従業者証明書番号など)」を記録したものです。
  • 10年である理由:悪質な不動産業者や不法なブローカーは、事件を起こした後に別の業者へ移籍したり、名前を変えて業界内を転々とすることがあります。免許権者(都道府県知事や国土交通大臣)が立ち入り検査をしたり、過去の悪質な行為者を長期間にわたって追跡・捜査・照会できるようにするためには、取引履歴(5年)よりも長い「10年」という長期間の保存が必要とされています。

まとめ

  • 帳簿(5年): 「契約や取引」の確認用 ⇒トラブル対応は5年で十分
  • 従業員名簿(10年): 「そこで働いていた人」の追跡用 ⇒悪徳ブローカー等の追跡のため10年必要

「取引履歴は5年、人の履歴(悪徳業者の追跡)は10年」と覚えておくと忘れにくくなります!

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